事件前夜

主に映画の感想を書いていきます。

スティーヴン・スピルバーグ『レディ・プレイヤー1』

 

レディ・プレイヤー 1 [Blu-ray]

レディ・プレイヤー 1 [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/12/19
  • メディア: Blu-ray
 

社会派ドラマの傑作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』から立て続けに公開されるスピルバーグの新作は、打って変わってビデオゲームをテーマにしたSF娯楽大作である。全編を通じ、おびただしい数のアニメやゲームのキャラクターが引用される本作は、ATARIの『Pong』からゲームに接しているというスピルバーグのマニアぶりが遺憾なく発揮された映画となっている。スピルバーグは『Call Of Duty』や『Forza Motorsport』といった最新ゲームもプレイしているらしく、ビデオゲームの世界を舞台にした本作のアクションシーンは、その経験が十二分に活かされている様だ。主人公に課せられた3つの試練の内、1つ目は『Burnout Paradise』や『マリオカート』を彷彿とさせる、アクションレーシングの体裁を取り、2つ目ではキューブリックの名作『シャイニング』を引用しつつ、それを『バイオハザード』ばりのホラーゲームの舞台に変えてしまう。3つ目の試練をめぐる戦闘場面が、『Halo』や『Gears Of War』からインスパイアされている事は確実だろう。ゲームファンから見ても「わかってるな!」と言いたくなる、ツボを押さえたシーンの連続で、しかもそれが単にゲームの世界を再現しただけではなく、ちゃんと面白そうなゲームに見えているのも流石とである。そう言えば、スピルバーグが過去に制作したパズルゲーム『ブーム・ブロックス』もシンプルな操作と奥深いゲーム性を両立させており、「わかってるな!」と感心したのを思い出した。