事件前夜

主に映画の感想を書いていきます。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ペドロ・アルモドバル『ペインアンドグローリー』

ペドロ・アルモドバルという監督について何を語ればいいのだろう…もちろん、スペインを代表する名監督である事は認めるし、全てではないがそれなりに作品も観てはいる…ただ、個々の作品はそれなりに面白いのに、その作品群から作家性を抽出しようとするとぼ…

エイドリアン・グランバーグ『ランボー ラスト・ブラッド』

ロッキーとランボー。ハリウッドを代表する2大ヒーローを生み出し、ここまでの長寿シリーズに育て上げてきたシルベスター・スタローンの功績は映画界にとってはかり知れないものがある。しかし、監督脚本主演もこなすスタローンの才人ぶりを、これまで映画業…

ジム・ジャームッシュ『デッド・ドント・ダイ』

これぞジャームッシュと言うべき傑作『パターソン』とThe Stoogesのドキュメンタリー『ギミー・デンジャー』に続くジム・ジャームッシュの新作は、何とゾンビ映画である。確かに、これまでも『デッドマン』や『ゴーストドッグ』など、ジャンル映画に淫した作…

グレタ・ガーウィグ『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

https://www.storyofmylife.jp/ ルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』は、現在も多くの人に読み継がれてきた児童文学の傑作であり、ハリウッドでも過去に何度も映画化されてきた。その中では、ジョージ・キューカーによる1933年版、マーヴイン・ルロイ…

内藤瑛亮『許された子供たち』

許された子どもたち 上村侑 Amazon 内藤瑛亮監督作品では『ミスミソウ』と『パズル』しか観ておらず、本作と同テーマを扱った『先生を流産させる会』は未見のままである。タイトルからして相当ヘビーな話であろうと想像され、なかなか観る勇気が出ない。しか…

ジャスティン・ペンバートン『21世紀の資本』

それにしても、数年前にトマ・ピケティの『21世紀の資本』が我が国で大ヒットしたのはいったい何だったんだろうか?まあ、アベノミクスがどうとか、グローバル経済がどうとかいっても、国民の生活は全く豊かにならないし、格差が広がっているばかりじゃない…