事件前夜

主に映画の感想を書いていきます。

ジュリア・エイブリー『オーヴァーロード』

 

第二次世界大戦中、ナチスが残酷な人体実験を繰り返していた事はよく知られている。中には、人間を意のままに操る研究など、オカルトめいたものもあった様だ。

ナチスの人体実験をネタにしたホラー映画としては、1975年の『イルザ 女収容所 悪魔の生体実験』が先駆けとなるだろうか。収容所での人体実験と女性看守による囚人虐待というスキャンダラスな要素を組み合わせたこの作品は低予算ながら大ヒットし、様々な模倣作が作られていった。映画だけでなく、『ウルフェンシュタイン』シリーズなどTVゲームに与えた影響も大きい。J・J・エイブラムス製作の本作は、こうしたエクスプロテーション映画を現代に甦らせたものである。

…と、正直これぐらいしか書く事が無い。アクションも迫力満点だし、ストーリーもテンポ良く進む。ホラー映画ファンの為にグロ描写ももちろん用意されている。馬鹿馬鹿しい与太話といえばそれまでだが、一定のクオリティには達しているので、観て損する事は無いだろう。欠点が無い代わりに突出した点も無いので、1ヶ月もすると内容を忘れているとは思うが。

 

あわせて観るならこの作品

 

フランケンジョーズ

フランケンジョーズ

 

 ナチス生体実験ものと鮫映画を組み合わせたZ級作品。タイトル通り、フランケンシュタインテーマも盛られている。とにかく、鮫が初めて人を襲う衝撃的な場面だけでも観て欲しい。映画表現がノートの隅に落書きしたパラパラ漫画を下回るという、歴史的な瞬間を目撃する筈だ。